実施内容
【講義】(9月6日)
◆第0講 わたしたちはどこからきたのか
講師:藤岡換太郎 元海洋研究開発機構
目的:私たちが現在この世にいるのはどうしてなのかを宇宙の誕生から現在までざっと見渡してみる。そのことによって我々が現在生息していることが奇跡であることがわかるであろう。そして今後一体どのようになっていくのだろうかということを考えて、どうすればいいのだろうかを模索するのがこの講義の目的である。また科学や工学、文学などほかの分野との異文化コミュニケーションを通して重箱の隅をつつく科学から大きな科学を目指すことを目的としている。
◆第1講 2011年東北地方太平洋沖地震の実像と
その沈み込みダイナミクス的意義
講師:日野 亮太 東北大学
目的:日本海溝沈み込み帯浅部における力学的海陸プレート相互作用の概要を理解する。
◆第2講 微化石と海洋堆積物から読み解く地球環境変動
講師:本山 功 山形大学
目的:放散虫化石の研究から日本付近の海洋環境変動を理解する。
◆第3講 マントルまで掘ろう!モホール計画
講師:阿部なつ江 海洋研究開発機構
目的:人類は,地球から38万km離れた月に降り立ち,探査機「はやぶさ」は,およそ500万km離れた小惑星イトカワから60億kmもの長旅の末にサンプルを持ち帰った。しかし我々が住む星地球に目を向ければ,海底のたった6km下にあるマントルには,未だ直接触れたことがない。地球深部探査船「ちきゅう」が建造されたことで,マントルまで掘る「モホール計画」の実現に迫っている。そのモホール計画と関連する研究プランについて,今後10年くらいの間に皆さんと一緒に取り組みたい内容について紹介したい。
◆第4講 新種の火山・プチスポット海底火山と
海洋プレート、アセノスフェア
講師:平野 直人 東北大学
目的:火山の溶岩からわかる地球の内部構造を知るために、プチスポット火山を例に紹介する。プチスポット火山は沈み込む古くて冷たい海洋プレート上の深海底で活動する新種の火山であり、いままで認識されていなかったプレートやマントルの真の姿が浮かび上がった。
【巡検】(9月7日)
◆活火山蔵王:噴出物を観察して噴火の歴史や
地下のマグマの進化に思いを馳せよう!
巡検案内者:伴 雅雄 山形大学
目的:火山は、地表での最もダイナミックな現象の一つである。この現地見学会では、活火山:蔵王山を対象にして、火山特有の地形や噴出物を観察することによって、蔵王山をもたらした噴火の歴史や噴火をもたらしたマグマの進化について学ぶことを目的とする。